2013年01月07日

わたしにふさわしい時【詩編 31:15〜25】

聖句「わたしにふさわしいときに、御手をもって、追い迫る者、敵の手から助け出してください。」(31:16)

1.≪ボンドと芭蕉≫映画『007は二度死ぬ』は原題を「You Only Live Twice」と言います。『暗黒街の弾痕』(You Only Live Once)のもじりと思っていましたが、フレミングの原作の中で、松尾芭蕉の俳句「命二つ生きたる桜かな」に感服したボンド中佐が「人生を実感できるのは二度だけ/生まれた時と死ぬ時と」と短い英詩を詠む場面こそが、その由来と知りました。

2.≪知恵のはじめ≫知恵のはじめは「時を知る」ことです。農民は、蒔く時、植える時、収穫の時を知っていました。つまり、作物を通して、生と死を知っていました。 「時がある」とは神の摂理に関わることです。人間は理屈を付けて説明しますが、結局は分からないのです。時の中で生きる私たちは、時を超えて生きることは出来ません。病気や障碍、老衰と死があります。そこに、私たちの限界があります。しかし、その限界があるという現実こそが、信仰のスタートラインなのです。そこから信仰が始まるのです。

3.≪相応しいとき≫「詩編」31編の詩人も、限界状況にあって悩み苦しみ、祈る人です。病気を抱えているのか、衰えに悩んでいるのか、その上に、敵からの陰険な攻撃を受け、更には、友人も遠ざかって行きます。また、不幸の中で、自分を責めるようにまで至るのです。この八方塞の中で、「わが時は神の御手の中にあり」と悟るのです。人の手には負えぬ事態に、神の手の内に自らを引き渡す覚悟をしたのです。自分は神さまのものだったのです。楽しい時だけ、御手に守られているのではありません。 苦しみの時も御手に委ねられているのです。それ故に、安んじて歩んで参りましょう。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 11:58 | 毎週の講壇から