2016年08月08日

ピースメーカー(ズ)【マタイ5:1〜12】

聖句「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。」(5:9)

1.《アメリカの平和》 コルトSAAは、西部開拓者を先住民の襲撃から守った拳銃として「ピースメーカー」の愛称で呼ばれています。コンベアB-36戦略爆撃機にも「ピースメーカー」の別称がありました。B-29の後続機で、大戦後に米軍に配備、朝鮮戦争でも温存されました。航続距離が11,000キロもあり、ソ連と中国への核攻撃を準備していたのです。「平和」という語に騙されてはいけません。問題は誰のための平和であるかです。

2.《自分たちの平和》 カナダ人のイアン・アーシーは、日本の「お役所言葉」の研究をした人です。彼によると、日本では「戦争」は忌み言葉で、常に「平和」と言い換えているそうです。「平和記念公園」等と言いますが、平和を祈念する以前に、戦争の愚かさを直視すべきでしょう。他にも、戦争は事変、日本軍は自衛隊、敗戦は終戦と、語にモザイクを掛けています。「平和国家」を自称しながら、沖縄に米軍基地を集中させ、米軍の後方基地として機能することで、私たちも戦争の加害者であり続けているのです。米軍が敵地に原爆を落として「ピースメーカー」と主張するのと同じくらい、恥ずべきことです。

3.《平和を作り出す》 イエスさまは「平和を愛する人」でも「平和を好む人」でもなく「平和を作り出す人たち」が幸いであると仰います。しかも、それは複数形です。自分だけに実現すれば良いのではなく、複数の人たち、異なる共同体と共に実現されるのです。元海兵隊員で平和運動に転じたアレン・ネルソンは、ベトナムの農村を攻撃した時、偶然に若い母親の出産に遭遇して、人間性を回復して行きます。帰還後、小学生たちに体験を語った時、「あなたは人を殺しましたか?」という少女の問い掛けを突き付けられて、運命を変えられます。それこそが「平和が作り出された」瞬間だったのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:50 | 毎週の講壇から