2016年09月05日

成長する建物【エフェソ2:11〜22】

聖句「キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。」(2:21)

1.《幽霊屋敷》 S・キングのホラー小説『ローズ・レッド』は、自己増殖を続ける幽霊屋敷が舞台です。その屋敷のモデルと成ったのは、カリフォルニア州のウィンチェスター邸です。銃器製造メーカーの未亡人が「娘と夫に先立たれたのは銃の被害者の呪い」という霊媒師のお告げを信じて、霊障から逃れるために38年間1日24時間、休み無く屋敷の増築を続けさせたのです。

2.《人柱伝説》 礼拝堂が自分で補修や増設をしてくれたら楽ですが、幽霊屋敷は人々の生気を奪い取るものです。日本には、人間の魂が入った建物が頑強であるという信仰があり、20世紀になっても、トンネルの難工事などで労働者を生き埋めにして来た歴史があります。靖国の祭神も「柱」と言うのは、神霊が宿る依代を言うのみならず、犠牲者の怨霊を祀り上げることで国家の守護神とする人柱の観念でもあります。新約聖書でも教会や使徒たちを「柱」と言います。また、使徒たちは信仰の故に殉教すら厭いませんでした。しかし、彼らは祟りません。彼らを突き動かして来たのは、主の御愛だったからです。

3.《神の家族》 イエスさまと殉教者たちを「柱、土台」として形作られるのがキリスト教会です。どこのどんな教会であろうと、苦しみと悩みの歴史があるのです。信徒の一人一人も同じです。故無く立つ教会も信徒もありません。この世での齟齬や違和感や疎外感があって初めて、私たちは神さまと向き合うのです。教会も同化や一体化を強いる場ではなく、異なる者たちがそのままで結び合わせられる所です。苦手な人、嫌いな人がいるのも「お互い様」。同一規格に切断されるのではなくて、ジグソーのようにバラバラなままで良いのです。「組み合わせる」(ピッタリと1つにする)のは、神の御業だからです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:50 | 毎週の講壇から