2016年09月19日

異教徒の間に生きる【Tペトロ2:11〜17】

聖句「異教徒の間で立派に生活しなさい。そうすれば、彼らはあなたがたを悪人呼ばわりしてはいても、…訪れの日に神をあがめるようになります。」(2:12)

1.《カルトの子》 村上春樹の小説『1Q84』には、カルト教団の中で成長したヒロインたちが登場します。「エホバの証人」や「ヤマギシ会」がモデルに成っています。親が入信することで、その子たちも否応無くカルトの世界に引き込まれ、少なからぬ影響を受けてしまうのです。長じてからも、そのトラウマに苦しめられている人たちが大勢いるのです。

2.《コミューン》 元来「カルト」とは「祭儀」で、悪い意味はありませんが、現在では、当人の人格や家庭、社会生活を破壊する団体の意味で使われています。同じく「コミューン」も「共同」の意味で、カトリックの「教区」を基にした地方自治の最小単位だったのです。やがて、社会主義者たちの集団農場を指して用いられ、現在では、カルト信者が社会から隔絶して、自分たちだけの「楽園」を形成する場合に使われます。プロテスタント教会の中にも、多少「コミューン」的要素は残っていますが、むしろ、聖書は信者の社会生活を優先して「異邦人の間で立派に生活しなさい」と勧めています。

3.《異教徒の間》 これまで「異邦人」という訳語を「異教徒」と変えたことは、日本社会に暮らす私たちにとって大きな意味があります。家族の中ですら「異教徒の間」にあるのです。当時の信徒は「悪者呼ばわり」されて、偏見や中傷を受けていましたが、だからこそ「立派な(美しく魅力的な)行ない」を見て貰いなさいと言うのです。しかも「周囲の見る目が変わる」等と安請け合いはしません。たとえ異教徒であっても、全ての人を敬っているので、他者を変えることは、神さまにお委ねしているのです。私たちは、社会や家庭を投げ出したりしないで、「異教徒と共に生きる」信仰の闘いを続けて参りましょう。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:49 | 毎週の講壇から