2018年05月14日

海の星【出エジプト記15:19〜21】

聖句「アロンの姉である女預言者ミリアムが小太鼓を手に取ると、他の女たちも小太鼓を手に持ち、踊りながら彼女の後に続いた。」(15:20)

1.《海星と暁星》 カトリック教会では「聖母マリア」に「海の星」「暁の星」という称号を冠しています。学校の「海星」「暁星」もマリア会の設立です。航海技術の発達していない時代、夜に海上を行く人たちは北極星と金星を頼りにしていたのです。そこから、人生行路を渡る時に、明らかに道を示してくれるのが「海の星」なる「聖母マリア」であるとの信仰が生まれたのでしょう。

2.《海の雫から》 カトリックの国に行くと、海辺や岬に聖母マリアの像や教会が建立されています。聖母賛歌には「めでたし海の星」と歌われています。マリア、即ちミリアムの名前の意味を「海の星」と言ったのは、「ウルガタ聖書」の翻訳で知られるヒエロニムスとされています。しかし、ヒエロニムス自身は「海の雫」としていたらしい。実は、写本で「海の雫」が「海の星」と誤記されてしまったのです。その後、ローマ教会は現世権力と結び付き、「マリア崇敬」を推し進め、遂にマリアは「天の元后」とされ、王冠に星を輝かせる図像で描かれるように成ってしまったのです。誤記も意図的なものだったのかも知れません。

3.《大海の一滴》 マリアの原型であるミリアムは、「葦の海」の奇跡が起こった時、主を賛美する「海の歌」を踊り歌いました。「デボラの歌」と並んで、旧約聖書最古の詩文とされています。文字が出来て文書化され編集される遥か以前から、何百年も口伝として、親から子へ子から孫へと歌い継がれていたのです。聖書の御言葉は、私たちが「海の雫」の一滴を取り出して吟味する時、「海の星」として輝きを放つのです。ミリアムは「水」と結び付いた存在です。彼女が死んだ時、忽ち民は枯渇するのです。因みに、現代では「ミリアム」の名前は、古代エジプト語の「愛」から来ているというのが定説です。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 19:53 | 毎週の講壇から