2019年06月03日

す巻きにして海に沈めろ!【マルコ9:42〜50】

聖句「わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がはるかによい。」(9:42)

1.《コンクリ》 東京湾には、コンクリで固めて沈められた死体が多数あるという都市伝説があります。今でも、死体をセメントで固めて海に沈めて遺棄しようとする犯罪者がいる(尼崎事件)のは事実です。戦前のヤクザ、博奕打ちの世界では「す巻きにして」川や海の中に放り込む習慣がありました。吉原の女郎も掟を破ると、殺された後、荒菰で巻かれて浄閑寺の境内に投げ込まれました。中学生がマットで巻かれて圧死した事件(山形圧死事件)もありました。

2.《身体刑罰》 今から2千年前の中東という時代状況を考えると、ここに語られているのは、単なる譬えではなく、実際に存在した刑罰や処刑法ではないでしょうか。国や地域によっては、今でも窃盗犯に「断手刑/手切り」が行なわれているようです。古代中国では、逃亡罪と偽証罪に「臏刑/足切り」が適用されました。神殿や宮殿の不法侵入者、姦通した女性に「抉眼」を行なった記録もあります。西欧の人権団体は身体刑を「拷問」として反対しますが、公開処刑や身体刑が犯罪抑止力に繋がると信じる人たちは今も存在しているのです。

3.《小さな者》 旧約聖書の世界では、身体に欠損のある者は神殿や聖所に入ることを許されませんでした。神は完全な御方であるから、不完全な者は立ち入るべきではないとされたのです。しかし、イエスさまは「たとえ片手、片足、片目になっても天国に入ることが出来る」と主張されているのです。むしろ、天国に入れないのは、身体障碍のある人たちを差別排除する者たちです。「つまずかせる」とは、障碍を理由にして「信じる者の邪魔をする」ことです。それと共に、イエスさまは、私たち自身もまた「小さな者(ミクロン、神の子ども)の一人」とされていることに気付かせてくださるのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 20:50 | 毎週の講壇から