2020年02月03日

人生のローラーチェーン【ローマ5:1〜11】

聖句「わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。」(5:3,4)

1.《七人の敵が》 その昔「男は敷居を跨げば七人の敵あり」と言われたものです。世間の厳しさを諭す諺ですが、夫が妻子を捨て置く際の方便に使われて来たように思います。加納朋子の小説『七人の敵がいる』では、勝気なヒロインが行く先々で波風を立ててしまいます。同調圧力の強い日本社会では、意見の対立を怖れる余り、個人は何も言えずに我慢する習慣が身に着いてしまいます。

2.《摩擦と圧迫》 日本社会でキリスト者に成ることは、ある意味、波風を立てることです。周囲の無自覚な同調圧力と、その都度、対決を余儀なくされます。この社会では、他の人と同じことをしないで、自分で自分なりの生き方や行動を探そうとすると、何かと苦しいのです。しかし、この苦しさこそが大切です。「苦難」と訳されているのは「圧迫、摩擦」です。「忍耐」は「敢えて、その下に留まる」ことです。「練達」は「実証実験、本物であることの証明」です。信仰者と成るために、摩擦や圧迫を受けて悩むことが求められているのです。

3.《和解の務め》 確かに「苦難、忍耐、練達、希望」は連鎖(チェーン)ですが、人間の努力や業績によって希望に至る階段ではありません。先に希望が与えられているのです(2節)。自転車やバイクのローラーチェーンと同じく、十字架の主から頂いた希望が原動力と成り、信仰者の人生を回しているのです。神と和解させて頂いた(10節)私たちには、イエスさまに倣って、敵対の壁を取り払う「和解の務め」が与えられています。多数が少数を呑み込んで同化するのは暴力です。互いに異なる者たちを、同じ神の子として和解させ、本当の平和を目指して行くのが、真の回復であり復興なのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 20:55 | 毎週の講壇から