2020年03月02日

苦しみと恵みのブレンド【フィリピ1:27〜30】

聖句「あなたがたには、キリストを信じることだけでなく、キリストのために苦しむことも、恵みとして与えられているのです。」(1:29)

1.《旨味と苦味》 甘味、塩味、酸味、苦味が4大味覚とされて来ましたが、近年これに日本由来の旨味の存在が加えられました。旨味は「風味、心地良さ」に通じます。苦味とは正反対です。苦味は文字通り苦しみに通じます。しかるに、人間は味わいの1つとして認識して来たのです。他の味覚とブレンドすることによって、苦味をコク、深みある味わいとして受け止めて来たのです。

2.《恵みに与る》 恵みは旨味に通じます。上からの特別な恩顧を受けることなのですが、パウロは獄中から「キリストの苦しみに与ることで恵まれる」と訴えるのです。彼の「戦い」(苦闘、苦悶、不安)を知って応援してくれたフィリピの信徒たちの「共闘、連帯」に感謝しているのです。サルトルなら「アンガージュマン/参与」と言うかも知れません。自ら主体的に、この世界に働き掛けて行こうとする姿勢です。そこで初めて「恵みに与る」という事が起こって来るのではないでしょうか。信仰から一歩踏み出した生き方なのです。

3.《交じり合う》 珈琲にもウイスキーにもブレンドがあります。ブレンドすることで異なる個性の味わいが引き立つのです。同調圧力の強い社会ですから「反対者」との摩擦に悩むこともあります。しかし、私たちには信仰の仲間がいます。何よりキリストが共に居られます。苦闘かも知れませんが、共闘なのです。そこから恵みや喜び、感謝や賜物が生まれるのです。アイザック・ウォッツ作詞の讃美歌「栄えの主イェスの」にあるように「恵みと悲しみ」は交じり合って流れて来るのです。私たちの弱さも信仰と交じり合っています。自らの中にある苦さも、主の恵みと溶け合い、人生の味わいを生み出して行くのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 20:53 | 毎週の講壇から