2020年07月20日

疲れた使徒たちのレスパイト【マルコ6:30〜44】

聖句「イエスは、『さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい』と言われた。」(6:31)

1.《現代人の疲れ》 こんなにも私たちが疲れ果てているのは、産業革命以降、急速に激変する生活環境に適応できないからです。その筆頭に挙げられるのは、都市の人口過密です。多くの実験動物を狭いケージの中に入れたままにして置くと、ストレスで死んだり殺し合いを始めます。しかし、人間は過酷な環境に置かれても耐えているのです。疲れるのも当たり前なのです。

2.《休息を求めて》 十二使徒はイエスさまに派遣されて宣教の旅に出掛けていたのですが、今漸く帰って来たのです。疲れ果てていました。しかし、イエスさまの周囲には、癒しや教えを求める人が出入りしていて休養できません。そこで「人里離れた所」で「休み」を取るように、主は言われたのです。アリストテレスは「休み」を3つに分類しています。「パイディア/娯楽」「アナパウシス/疲労回復のための保養」「スコレー/真理を求めるためのゆとり」です。ここに出て来る「休み」は「アナパウシス」ですが、3つのバランスが大切なのです。

3.《息を吹き返す》 ところが、舟で湖を渡ってみると、そこにも群集が押し寄せていました。使徒たちの休息は台無しに成ってしまいました。使徒たちは「早く解散させましょう」と進言します。「自分で…何か食べる物を買いに行くでしょう」は「自己責任論」です。それに対して、群集の寄る辺なさに心痛められた主は「あなたがたが食べ物を与えなさい」と仰り、奇跡を起こされました。食べ終わって皆が満腹しても、尚「十二の籠」がパンと魚で満たされました。十二人の使徒たちも満たされたのです。「レスパイト」とは「息を吹き返す」こと、イエスさまの聖霊(愛)を受けて癒され、生き返ることなのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 19:52 | 毎週の講壇から