説 教 ”ありとあらゆる患いを”

聖 書 マタイによる福音書 4章23節〜25節(p.6)
讃 美 歌 27、212(@B)、490、7、446、25
交読詩篇 143編1〜6節(p.160)
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標語 『求道〜道を尋ね求める〜』
主よ、あなたの道をわたしに示し、あなたに従う道を教えてください。
(詩編25章4節)
聖句「モーセという人はこの地上のだれにもまさって謙遜であった。」(12:3)
1.《生き辛い世に》 夏目漱石の名作『草枕』の冒頭に「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」という名文句があります。筋を通せば事を荒立てるし、慮れば状況に流されるし、持論を押し通すと身動きが取れないのです。と言って「人でなしの国」に行く訳にも参りません。むしろ、住みにくい所を寛げて長閑な住み易い所、生き辛い世を少しでも生き易くするのが芸術家の使命だと、漱石は言っています。芸術家のみならず、私たち皆の願う処ではないでしょうか。
2.《柔和は力強い》 イエスさまの「八福の教え/真福八端」の3番目に「柔和な人たちは幸いだ/地を受け継ぐ」とあります。社会変革を意識する人たちは「貧しい人たち」「平和を作り出す人たち」「迫害されている人たち」に注目しますし、ホーリネス派は「清い人たち」を選ぶことでしょう。今現に辛い思いをしている人は「悲しむ人たち」や「憐れみ深い人たち」に目を留めるでしょう。8つの中で一番地味で目立たないのが「柔和な人たち」なのです。でも「生き辛い世の中を、少しでも寛げるように」と考えたら、この「柔和さ」こそが大事な要素なのです。ギリシア語の「柔和/プラーユテース」には「忍耐強い」の含みもあるのです。「柔よく剛を制す」。案外「柔和」には底力があるのです。
3.《柔和なモーセ》 モーセは地上の誰よりも「謙遜、柔和/アーナーヴ」だったと書いてあります。モーセは美術や映画で力強く峻厳なイメージで描かれていますが、実際には口下手で控え目な性格だったのです。姉ミリアムや兄のアロンに言いたい放題に批判されても、すぐに反論できずに、辛抱して黙り込んでしまうのです。モーセは何も言い返さないのです。これが「柔和」です。本来は「抑圧された奴隷状態にあること」を意味する語なのです。神さまの方が我慢できなくなって「モーセは俺の友だちなんだ」と介入する有様です。「柔和」は「人でなしの国」では無益ですが、「天の国」では恵みの賜物を受け継ぐのです。
朝日研一朗牧師
庭の苺とミニトマトの写真です。杏も2個実っていました。
地面にはダンゴムシが沢山いました。梅雨があけると蝉の季節ですね。
再開いたします。