2014年09月29日

グッド・ウィル・ハンティング【ヨハネ6:34〜40】

聖句「わたしが天から降って来たのは、自分の意志を行なうためではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行なうためである。」(6:38)

1.《善き意志》 映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)は、天才的な頭脳を持ちながら無目的な生活を送っていた青年が、セラピストや友たち、恋人に支えられながら、幼児期の虐待のトラウマを乗り越えて、脱皮成長して行く物語です。題名の「ウィル・ハンティング」は主人公の名前ですが、「グッド・ウィル」には「好意」、「ハンティング」には「探求」の含みがあります。そして、神の「御心」以上の「グッド・ウィル/善き意志」はありません。

2.《中心の柱》 英訳「主の祈り」で「御心を成させ給え/Your will be done」と唱えると、断固たる口調に成ります。ギリシア語の「御心」も「テレーマ/意志」です。しかし、日本語の「心」には、どこまでも曖昧さが伴います。むしろ、私たちは躊躇いや迷いや揺らぎを大切にして来たのです。それは丁度、法隆寺五重塔の「心柱」が塔の小屋組みとは繋がっていないがために、揺らいでも倒れない構造に成っていることに通じます。動詞「テロー/するつもり」の新約聖書の最多の用例は「御心ならば」です。これこそが、信仰の「心柱」なのです。

3.《命のパン》 共観福音書の「ゲツセマネの祈り」に当たる箇所ですが、3章の「神はその独り子を賜う程に…」の説明でもあります。神の御心は何よりも愛、全ての人の救いであることが明記されています。更に、ここでは、イエスさまが御自らを「命のパン」を言い表わします。特に、35節は『アンパンマン』そのものです。神の御心は「あなたたちを飢えさせない」「あなたたちを養う」という強い意志だったのです。「永遠の命」と言えば、私たちは「この世のことならず」と来世を思い浮かべますが、実は「命のパン」による養いと繋がっているのです。「五千人の養い」の記事、「日用の糧を与え給え」との連続性もあるのです。「天から来たパン」の後に「地のパン」が言われているのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 22:27 | 毎週の講壇から