2014年10月23日

ダニー・ボーイ

1.ダニ払いの日々

6月の末だったでしょうか、蚊に刺されたのか、痒いなと思っていたら、それはダニだったのです。両手首、両足首の何箇所も瘤になって腫れ上がりました。そう言えば、天候不順で、長く布団を干していませんでした。

幾ら天日干しをしても、摂氏50℃を超えなければ、ダニは死滅しません。たとえ布団の表面が高温に成っても、ダニは布団の内部に潜り込むだけなのです。また、幾ら布団を叩いても、内部に潜んでいたダニと埃が表面に浮き出るだけです。けれども、それを辛抱強く繰り返し、直接に掃除機をかけることで、徐々にダニを駆逐することに成功しました。

けれども、その頃には、両手足首は悲惨な状態に成り果てていました。家族からも気味悪がられる程でしたが、私は呑気に「戦前のフランス映画に『蚤払いの一夜』というのがあったなあ」等と考えていました。以前、ノミに集られたこともありますが、ノミはその立ち姿や顔付きが余りにも人間に似ていて、思わず殺すのを躊躇してしまった程です。

2.ムシムシ大行進

大阪時代、教会学校に来ていた女子中学生から、生まれたばかりの子猫を貰い受けて、しばらく飼っていたことがありました。けれども、若気の至り、すぐに同棲生活は破綻し、泣く泣く猫を実家に帰したのです。すると、離縁された猫の恨みでしょうか。いいえ、宿主がいなくなったために、ネコノミが私の血を吸い始めたのです。この時は、殺虫剤の薫蒸を数回行なったのではなかったでしょうか。

宮崎時代、小学生を引率してビーチキャンプに行った時、面白半分に半身を砂に埋めたまま、迂闊にも一晩眠ってしまいました。朝起きてみたら、全身をハマトビムシに覆われていました。生物の腐った屍骸や浜に打ち上げられた海草を食べる虫です。

北海道時代、青少年ワークキャンプに行った時、焚き火を囲んで、青年たちと徹夜でお喋りをしました。半ズボンなのに防虫を怠ったせいで、両足をブヨに刺されて、翌日から猛烈な痒みに襲われました。北海道の森林には、ヤブカは少ないのですが、ブヨが沢山います。エジプトの魔術師の台詞ではありませんが、まさしく「これは神の指の働きでございます」(出エジプト記8章15節)としか言いようのない痒みでした。

3.吸血に性別なし

手首の腫れに気付いた人から「どうしたのですか?」と尋ねられると、正直に「ダニですよ」と答えつつも、照れ隠しに、アイルランド民謡「ダニー・ボーイ」を歌いました。けれども、すぐに、吸血するのは雌だから、むしろ「ダニー・ガール」ではないかと考えました。ところが、調べてみると、ダニもノミも、雌雄両方が吸血することが分かったのでした。

マンデラ夫人は独房で1匹のハエに慰められたと言いますが、私は未だその境地に至りません。

【会報「行人坂」No.249 2014年10月発行より】

posted by 行人坂教会 at 15:24 | ┣会報巻頭言など