2014年12月22日

主はあなたと共に…【ルカ1:26〜38】

聖句「天使は、彼女のところに来て言った。『おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。』」(1:28)

1.《リタさん》 NHK連続テレビ小説『マッサン』のモデルは、ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝とリタ夫人です。リタ夫人は余市教会付属幼稚園にも名前を残しています。ドラマの中では、赤ん坊を流産し、今後の出産は命取りと医師から告知されるのです。クリスマスは、とかく赤ん坊に注目が集まりがちですが、不妊症に悩むカップル、子供を亡くした人、望まぬ妊娠に悩む人もいるのです。

2.《辛い告知》 クリスマスとは「受胎告知」「誕生告知」の物語です。ヨセフもマリアも天使から告知を受けて悩みます。族長アブラハムならどんなに喜んだでしょう。しかし、2人は身に覚えのない、責任のない子を引き受けさせられるのです。皆から祝福されてお目出度い話ではありません。犬養道子の『一億の地雷、ひとりの私』の中に、ボスニア紛争の際に、数十名のセルビア兵に、何ヶ月にも渡ってレイプされ続け、妊娠して森の中に捨てられた、見習い修道女の手紙が紹介されています。彼女は、暴力と憎悪によって生を受けた自分の子が、愛と赦しの生きた証人、平和の建設者となるように育てたいと言うのです。

3.《神の道具》 マリアは天使の告知に促され、自分には何の責任もない子どもを産み、育てていくのです。そこにクリスマスがやって来るのです。その時、天使はマリアとヨセフに「主があなたと共におられる」と預言しているのです。マリアにとっては、ただ、恐ろしく不安なだけの告知なのです。それなのに、天使は「おめでとう」等と言っています。「万歳」「今日は」「喜べや」とも訳せます。所謂「アヴェ・マリア」です。少しも喜べませんが、マリアは「私は主の端女です。お言葉通り、この身になりますように」と応じて、引き受ける決心をするのです。「神の器」「神の道具」として我が身を差し出して行ったのです。その時、「主は共におられる」のです。これこそがクリスマスの奥義なのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 17:00 | 毎週の講壇から