2015年05月11日

愛する力【Tヨハネ4:7〜21】

聖句「神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。」(4:16)

1.《友愛と連帯》 「母の日」はプロテスタント教会起源の祝日です。メソジスト教会の牧師夫人が提唱した、母親の健康と衛生を守る運動の一環でした。やがて南北戦争で50万人もの兵士が戦死する事態に至った時、ジャーヴィス夫人は「母親友愛の日」を、ジュリア・ウォード・ハウは「平和を求める母の日」等のイベントを開催して、戦争犠牲者を覚え、母親たちの悲しみを訴えたのです。

2.《平和と悲嘆》 生涯をかけて「母の日」を国の記念日として制定しようと運動を続けたジャーヴィス夫人の没後、その娘アンナが母の遺志を受け継ぎます。母の召天日翌日の礼拝で、出席者にカーネーションを配ったのです。本来「母の日」は母親を亡くした者たちが悲しみを言い表わす日だったのです。グリーフケアの啓蒙活動をする社団法人「リヴオン」の尾角光美代表は、母の自死に自らも傷付きましたが、「母の日」の由来を知り、衝撃を受けたそうです。それを契機に母親に死別した人たちの文集の出版活動を続けているのです。顧みて、私たちはどれ程そのことを意識していたでしょうか。

3.《人を生かす》 家族の喪失と向き合うことは辛いことです。しかし、それを少しずつ果たしていくのが「グリーフワーク」(悲しみの作業、喪の仕事)です。「ラルシュ共同体」のジャン・バニエは、知的障碍のある青年たちと共同生活を始めた時、本当の自分を見つけたと言います。愛されていないと感じている人は優秀な人間に成ろうと努力し、権力を求めて注目されたがるのです。私たちは、愛や思いやりによって生きる力を与え合い、互いを生まれ変わらせることも出来るのです。全身麻痺の挙句、5歳で死んだ少年は、病没の数週間前、失明しました。傍らで嘆く母親に向かって、彼は「お母ちゃん、ぼくにはまだ心があるよ。お母ちゃんのこと大好きだよ」と言いました。彼は母親を生かそうとしたのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:52 | 毎週の講壇から