2016年03月21日

亜麻布に包まれて【ヨハネ19:38〜42】

聖句「彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包んだ。」(19:40)

1.《お雛巻き》 米国の産婦人科では、新生児をグルグル巻き(Swaddling)にします。私の後輩は、それを見て「エジプトの猫のミイラ」を、連れ合いは「クリスマスのイエスさま」を連想したそうです。最近、赤ちゃんを安眠させる方法として、日本でも若い母親たちの間で流行しています。子宮にいて守られている状態を作り、赤ん坊を安心させて上げるのです。考えてみれば、昔から日本でも「おくるみ」「お雛巻き」として存在していた習慣です。

2.《おくるみ》 クリスマスの記事には「マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布に包んで飼い葉桶に寝かせた」とあります。ギリシア語は「産着で包む」という動詞が使われているだけで、布の素材まで言及していませんが、亜麻布であることは間違いありません。インド、メソポタミア、エジプトでは亜麻布の歴史は古く、肌着として普及していました。木綿や羊毛などは、むしろ上着として羽織ったのです。イエスさまの埋葬の場面にも、再び亜麻布の「グルグル巻き」が登場します。「隠れ切支丹」のヨセフと未信者のニコデモが、イエスさまの遺体を懇ろに埋葬して、最大限の愛情を奉げるのは感動的です。

3.《復活の命》 ユダヤにはミイラの習慣は伝わりませんでしたが、亜麻布の包帯で遺体を巻き、香料で腐臭を防ぎました。「顔覆い」も亜麻布の包帯だったようです。「布に包まれて」飼い葉桶に始まった御生涯は、十字架によって断ち切られて、遺体は「亜麻布に包まれて」墓に納められました。しかし、それで終わることはなく、主は復活されたのです。亜麻布は蝉の抜け殻のように墓に残されていたのです。私たちは、死や遺体を穢れとは思いませんし、聖骸布を崇敬の対象ともしません。大切なのは、今も生きて働き給う主御自身です。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:08 | 毎週の講壇から