2016年04月25日

自分を変えてもらおう【ローマ12:1〜8】

聖句「あなたがたはこの世に倣ってはいけません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか…を弁えるように…。」(12:2)

1.《お仕着せ》 黒澤明監督の映画『赤ひげ』には、感動的な「お仕着せ」の話があります(山本周五郎の原作にはありません)。「お仕着せ」と言うと、何かを上から無理に押し付けられるようなイメージを持ちますが、大店の主人が奉公人たちに用意して上げる着物で、「四季施」とも書いたそうです。実際には盆と暮れに支給されて、丁度、現在のボーナスのようなものでした。私たちは礼拝生活を押し付けと考えるでしょうか。恩典と考えるでしょうか。

2.《モールド》 本田哲郎神父は、釜ヶ崎の日雇い労働者たちの人生に学びながら聖書を翻訳し、「世間に合わせる必要は無い」という福音を発しています。「心を新たにして」は「判断の視座を新たに」、「何が善いことか」も「何が人に親身なことか」と訳します。大戦中、空襲下のロンドンで青年たちと聖書研究を続けたJ.B.フィリップス牧師は「世間の窮屈な鋳型に嵌め込まれないように」「神に精神を内側から改鋳して頂くように」と訳しました。「鋳型/mould」「改鋳/re-mould」という語から、軍隊や組織からの解放を表現しています。

《ボーナス》 「心を新たにして」は「心機一転」して一大決心のイメージですが、「心」と訳される「ノオス」は「意識の向かう方向性、考え方」です。向きを変えることが大切なのです。「変えて貰いなさい」も「メタモルフォーセ」という語が使われていて、具体的な「変身」「変形」です。とは言え、自分を変えることは難しいのですが、神さまが変えて下さるのです。ここに「お仕着せ」の意味があります。私たちは世の価値観に翻弄され、惰性に流されて、無感覚無関心に成っているのですが、当たり前の事など何も無いのです。礼拝は、神さまの働き掛け(ボーナス)に対する、私たちからの感謝の応答です。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 17:50 | 毎週の講壇から