2016年10月17日

育つ不思議と恵み【ローマ8:26〜28】

聖句「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。」(8:28)

1.《育つ不思議》 私の子育て時代には「三歳児神話」や「母原病」等という言説が流行しましたが、子どもの成長の責任を全て母親に負わせる考え方に、私は反発を感じていました。育児上の失敗も多かったが、むしろ、無事に大人に成れたのは神さまの御陰と感謝しています。どの子にも、神さまから真っ直ぐに育つ力が与えられているのだと思います。

2.《育つ御恵み》 自らの幼児期を振り返っても、決して安定した家庭環境にはありませんでした。私を産んだ直後、母は肋膜炎から結核を病み、子どもたちは親戚の家に預けられました。私自身も10ヶ月間、病院の保育室に預けられていました。それが後の性格形成や人生に影響を与えているのかも知れません。信仰篤い両親に反発して、教会生活から離れてしまった時代もありました。しかし、両親が亡くなって初めて、彼らの信仰の確かさを知りました。出産したばかりの赤ん坊や幼い子どもたちから隔離された母の悲しみ、父の困窮は如何ばかりであったかと思います。両親は神の恵みを信じ抜いたのです。

《遺された愛》 大手術をするも母の結核は完治せず、背中に大きな傷痕を抱えたままでしたが、父は弱い母を思い遣りました。社会貢献活動を始めて、家庭の食卓には大勢の人が集うように成りました。父の死後、その遺志を継いだ母はパーキンソン病の患者の会に協力しました。両親はその生き方を通して、私たちに確かなものを遺してくれました。レバノンの詩人、カリール・ジブランは「子どもはあなたのものではない」と歌っています。子が生まれ育つのは神の恵みです。だからこそ、神に祈るのです。恐らく、母も安静にするしかない病床で「全てをお任せする者にこそ益がある」と知ったのではないでしょうか。

保立眞理子

posted by 行人坂教会 at 18:52 | 毎週の講壇から