2016年10月24日

アナザー・カントリー【ヘブライ11:13〜16】

聖句「…はるかにそれを見て喜びの声をあげ、自分たちが地上ではよそ者であり、仮住まいの者であることを公に言い表わしたのです。」(11:13)

1.《二十四の瞳》 1954年の木下惠介監督の『二十四の瞳』は、小豆島の「岬の分教場」に赴任して来た女教師、大石先生と12名の生徒たちとの心の交流を描いた名作です。12人の教え子だから「二十四の瞳」なのですが、フランスで上映された時には、その題名から、24も目玉のある気味の悪い怪獣が出て来ると誤解した人がいたそうです。同年に『ゴジラ』が公開されていたからです。

2.《慈しみ深き》 映画『二十四の瞳』は怪獣映画ではなく、尋常小学校を舞台にした映画ですから、子どもたちが懐かしい童謡や唱歌を歌う場面が数多くあります。案外、知られていませんが、讃美歌「慈しみ深き」が流れる場面があるのです。生徒の1人、松江の母親が急死して、彼女は高松に奉公に出されるのです。何とか学校が続けられるようにと、父親に直談判する大石先生ですが、他にも幼児を抱えていて、どうしようもありません。己の無力さに、皆が涙します。そこに、あのメロディーが流れるのです。お手軽に悲しみが癒されたりはしません。でも、神さまは、悲しんでいる者たちを見守っていて下さっているのです。

3.《別の国あり》 私自身は歌が好きでもなく、讃美歌に思い入れもありませんでした。しかし、礼拝に通い続けて、讃美歌を歌い続けていると、歌は魂に溜まって行くのです。貯金のように利息も付くのです。結構な高利です。歌の心、つまり、祈りがいつの間にか自分のものに成っているのです。ダイアナ元王妃の結婚式と葬儀に、ホルスト作曲の聖歌「我は汝に誓う、我が祖国よ」が歌われていました。「祖国」と訳されていますが、実際には「もう1つの国がある」と「天の国」を歌っているのです。「私たち一人一人の魂が積み重なる度に、その国には、静かな輝きが増し加わる」と…。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:00 | 毎週の講壇から