2016年11月21日

悲しみの収穫【マタイ9:35〜38】

聖句「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」(9:37,38)

1.《かき集める》 英語の「収穫/harvest」は「秋」の意味でもありますが、古英語の「かき集める」の意味から来ているそうです。荒木飛呂彦のマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』には「ハーヴェスト」という「スタンド」が登場します。「スタンド使い」が命じると、虫のような姿の5百体ほどの分身(スタンド)が、一斉に町中から落し物の小銭やクーポン券を「かき集めて」来るのです。

2.《死神の収穫》 「収穫」はギリシア語で「テリスモス」と言います。麦の穂や牧草を「刈り取る」という意味です。モンゴメリーの『赤毛のアン』の最後から2番目の章は、マシュー小父さんが突然死する話です。その題名は「死という命の刈入れ人/The Reaper Whose Name Is Death」と言います。古来、西洋では、死神は大鎌(サイス)を手にした姿で描かれていて、「神に仕える農夫」という呼び名もあるのです。米英軍が使用している軍用無人航空機「MQ-9」は、オペレーターは国内の作戦室で珈琲を飲みながら、イラクやシリアを攻撃する恐るべき兵器ですが、これも「リーパー」と呼ばれています。

3.《働き手たち》 一口に「収穫」と言っても色々です。イエスさまは何を収穫して居られたのでしょうか。主は病気や患いを負う人たちを癒し続けられます。「飼い主のいない羊の群れのように弱り果て、打ち拉がれているのを見て」御自身も痛み苦しまれています。イエスさまは、この世の悲しみと苦しみ、痛みと悩みを取り除こうとして、そのために働く人を求めて居られたのです。「収穫」と言うと、自分の利益に成ること、自分が豊かに、偉く賢く成ること、自己目標が達成されることばかりを考えます(教会も例外ではありません)。主の仰る「働き手」は苦しんでいる人と共に生きる人です。無力でも構いません。人を愛して、その苦しみを思って、涙を流す心、それさえあれば良いのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:50 | 毎週の講壇から