2017年06月12日

土に仕えるのが人【創世記2:4b〜15】

聖句「主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。」(2:15)

1.《大魔神!》 往年の大映の特撮映画に『大魔神』があります。時は下克上の戦国時代、所は丹波国、家老の大館左馬之助は主君に謀反を起こして、国主となりました。左馬之助は砦建設のために領民に過酷な労働を強い、山の武人像を破壊しますが、それが憤怒の形相の大魔神となって暴れます。最後には、娘の自己犠牲的な祈りによって魔神は怒りを鎮め、元の土塊に戻るのです。

2.《ゴーレム》 『大魔神』の元ネタは、戦前の独仏で何度も映画化された『巨人ゴーレム』です。時は17世紀の初め、所はプラハ、神聖ローマ帝国皇帝となったルドルフ2世は、ユダヤ人を迫害しゲットーに閉じ込めます。ユダヤの民は教会の隅にあるゴーレム像に救いを託しますが、像は警察長官によって略奪されて鎖で縛られます。獅子の咆哮を耳にしたラビの妻は、秘密の文字によってゴーレムを起動させます。ゴーレムは牢獄を破壊し、ユダヤ人を解放して、国家権力と戦うのです。虐げられた民のために暴君と戦うのも、ヒロインが鍵を握っているのも、使命を終えると土塊に戻るのも『大魔神』と同じです。

3.《土と人間》 墓から掘り出される『フランケンシュタイン』も含めて、これらの「人造人間」のモチーフは「創世記」の人間創造からの類推なのです。人間は神によって土から造られ、死んで土に返るのだと教えられているのです。宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』の中で、ヒロインのシータは「土から離れては生きられないのよ!」と叫びます。私たちは「天空の城」に住んでいる訳ではありませんが、土に触れずに生活しています。「土を耕す」は「土に仕える」と訳すべき語です。土を守り、土の世話をし、土から離れないで、いつか土に戻って行くことが、神から私たちに与えられた使命なのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 19:51 | 毎週の講壇から