2017年06月26日

すべて借り物【Tコリント4:6〜13】

聖句「あなたを他の者たちよりも、優れた者としたのは、誰です。一体あなたの持っているもので、頂かなかったものがあるでしょうか。」(4:7)

1.《牧師就任式》 各地の教会で新任牧師の就任式が行なわれる季節です。私が祝電に書き添えるメッセージに「比較は友人を敵となす」があります。紀元前3世紀の劇作家、フィレモンの言葉です。前任者と比べて論評されるのは不愉快であるばかりか、その人固有の人生や人格を否定して、物象化することです。その人が取り替えの利かない人であると感じる、それが愛と信頼です。

2.《地道な働き》 アポロは、パウロよりも先にエフェソやコリントで伝道活動に当たった人物です。特にコリントでは大きな働きをしたらしく、熱烈な支持者がいたようです。後から来たパウロは、雄弁家として知られるアポロと比較されて、かなりの屈辱を味わったようです。家族と同じく、教会もまた、信仰を同じくする者たちの共同体ですから、愛と信頼によって支えられています。そこに比較による相対評価が入ることは、即ち、共同体としての破綻を意味します。また、カリスマ的な存在が去った後、個人崇拝に傾いた在り方を本筋に戻して、始末をするのは、骨の折れる割りに目立たない地味な仕事なのです。

3.《人間の真価》 パウロはコリントの人たちに「人と人とを比べて、高ぶることのないように」と勧告しています。自分は棚に上げて、他人の値踏みをしている時、私たちは高慢に成っているのです。また、私たちは自らを特別な存在だと思いたがる悪い癖があります。しかし、他の人たちより優れた所はなく、あったとしても、それは神さまからの頂き物、貰い物、いずれお返しする借り物に過ぎません。神さまから見たら、私たちは皆「他人の褌(ふんどし)で相撲を取っている」ようなものです。高慢ちきを捨てた時、神さまから一人一人に与えられている、掛け替えの無さ、人間の真価が見えて来るのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 18:50 | 毎週の講壇から