2018年05月07日

弱さが神の原動力【Uコリント 12:1〜10】

聖句「すると主は、『わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ』と言われました。」(12:9)

1.《氷点と花束》 『氷点』で一世を風靡した三浦綾子は、24歳から13年間も結核で入院生活を送り、その後も「病気のデパート」と言われる程に沢山の持病を抱えながら執筆活動を続けました。パーキンソン病の薬のために、家の中に幻の花束が見えるようになったそうです。副作用の幻覚や妄想に悩まされる患者が多い中、彼女は幻の花束の出現を心待ちにしていたそうです。

2.《アンゲロス》 パウロは何等かの病気か障碍に苦しんでいたようで、それを「棘」「私を打つサタンの使い」と表現しています。シュヴァイツァーは「癲癇の発作」ではないかと言います。当時は原因も分からず、悪霊憑きとされていました。しかし、そんな状態のパウロを使徒として、ガラテヤの人たちは迎え入れ、福音を受け入れたのです(ガラテヤの信徒への手紙4章13〜14節)。「サタンの使い」に苦しむパウロを、不思議なことに、ガラテヤの人たちは「神の使いであるかのように」受け入れたのでした。「使い」は「アンゲロス/天使」です。自分の中に闇を抱えている方が福音は光り輝くのかも知れません。

3.《神の力の種》 物質的な豊かさが実現された現代、何もかも全て揃って、整えられて生まれて来ることが当たり前のことだと、多くの人が錯覚しています。病気や障碍、挫折や弱さを恥ずかしいことと考えて隠そうとする人もいます。しかし、神の光を当てて透かして見たら別のことが見えて来ます。パウロは自らの弱さを通して神の力の働くことを実際に経験したのです。神の力は人の弱さの中で実現する、成し遂げられるのです。私たちが自らの力量に自信を持っている時には、神の力の「種」が蒔かれていることに気付きません。自らの弱さ、無力さと向かい合わざるを得なくなった時、それは発芽するのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 19:53 | 毎週の講壇から