2020年03月16日

あなたを友と呼ぼう【ヨハネ15:11〜17】

聖句「もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。わたしはあなたがたを友と呼ぶ。」(15:15)

1.《友の雑誌》 羽仁もと子が創刊した「婦人之友」こそは「…の友」と銘打たれた雑誌の嚆矢でしょう。「主婦の友」「少女の友」「女学生の友」「少女フレンド」「母の友」「こどものとも」「映画の友」「音楽の友」「愛犬の友」「愛鳩の友」「アジアの友」「学習の友」「信徒の友」「家庭の友」…。「友」の誌名の背景には「あなたは独りではないよ」とのメッセージが感じられます。

2.《信仰の友》 つまり「友」の背景には孤立や疎外の現実があるのです。女性たちは家庭に閉じ込められて孤立していました。現代でも、子育て中の母親の孤立が言われます。キリスト者も社会や家庭の中で孤立しています。「友」は会意文字で右手で右手を庇う象形だそうです。「困った時こそ真の友」と言います。この諺は「確かな友は不確かな状況の中でこそ見極められる」(エンニウス)が出典です。これを受けてキケローは「真の友は稀である」と言いました。実際、ラテン語でもギリシア語でも「友」は「愛する」から来ているのです。

3.《友の証し》 イエスさまは「互いに愛し合う」ことが「私の掟」と仰いました。信仰生活には「信仰の友」が必要です。キリスト信徒にとって世間の風当たりは厳しいものですが、教会に行けば、肩身の狭さを共感し合える仲間がいるのです。現代において、この共感力が最も大切です。十字架を背負う生き方を学ぶ私たちですが、己を空しくすることは困難です。そんな弱さを抱えながら生きる私たちを、主は「友」と読んで下さいました。その上で「あなたがたを選んだのは私だ」と仰るのです。十字架は私たちの自己犠牲ではありません。むしろ、私たちに対するイエスさまの友情の証しなのです。

朝日研一朗牧師

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