2020年08月17日

英霊のお値段【イザヤ26:12〜19】

聖句「塵の中に住まう者よ、目を覚ませ、喜び歌え。/あなたの送られる露は光の露。/あなたは死霊の地にそれを降らせられます。」(26:19)

1.《花森安治》 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』には「暮らしの手帖」の名物編集長、花森安治が登場しました。日本のコピーライターの草分けで、戦前は大政翼賛会の外郭団体で活躍しましたが、戦後は言い訳めいたことは発言せず、ひたすらに暮らしの中にある「気付き」を掘り起こして行きました。各人の暮らしを大切にすることが「平和への道」だと確信していたのです。

2.《靖国神社》 花森自身も徴兵されて満州に行きました。その時の経験を「見よぼくら一銭五厘の旗」という散文詩に綴っています。教育係の軍曹から「貴様らの代りは一千五厘で来る/軍馬はそうはいかんぞ」と怒鳴られたと言うのです。召集令状の郵便料金、今なら84円です。軍馬どころか「軍人勅諭」には「死は鴻毛(鵬の羽毛)よりも軽しと心得よ」と教えられています。青春を「一銭五厘」で消耗された若者たちの悔しさと怨みを覆い隠すために、国家が「鎮魂ショー」を行なう、それが靖国神社なのです。死して尚、国家は利用するのです。

3.《死霊復活》 この「イザヤ書」の預言は、祖国が外国の支配下に置かれている中で、ある信仰者がそれでも尚、神の支配を信じて、平和を求める祈りです。古代ユダヤ教では、死者は陰府に入って、虚ろな影のような存在に成ると考えられていました。米軍と戦った靖国の「英霊」もまた無力にされ、今や米国のお追従をする政治家たちに利用されるだけです。死して尚、愚弄され凌辱されているのです。しかし、神さまは「死霊」のように無力な存在とされている捕囚の民にも「光の露」を降らせて、再び命を与えてくださるのです。主なる神は、現代日本に生きる私たちにも「光の露」を送ってくださるはずです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 21:52 | 毎週の講壇から