2021年01月12日

〜10分間礼拝「夜の日時計」のご案内〜

「夜の日時計/horologium nocturnum」


1.ヒゼキヤの祈り

旧約聖書「列王記下」20章(及び「イザヤ書」38章)に「ヒゼキヤの病気」という記事があります。ヒゼキヤ(Hezekiah)は、紀元前715年〜687年(686年との説も)に、南王国ユダを治めた国王です。超大国アッシリアの脅威の迫る中、国の舵取りをしなければなりませんでした。しかも、緊迫する政治情勢下で、彼は死の病を患います。

病からの回復を必死に祈るヒゼキヤに、預言者イザヤが神の託宣を告げます。「私はあなたの祈りを聞き、涙を見た。私はあなたを癒す。私はあなたの寿命を15年延ばし、アッシリア王の手から、あなたの都を救い出す」。

そして、その託宣の確かさの証として、神さまは「日時計」の影を10度後戻りさせるという徴を示されたのでした。

「日時計」はヘブライ語で「マーアロース/階段」です。階段の影で建物の壁に時を示したようです。古代パレスチナの町、ゲゼルの遺跡からは、旅行用に携帯する日時計(6センチほどの幅)も発掘されています。そこには、紀元前13世紀のファラオ(メルエンプタハ)の名前と姿が描かれていて、非常に古い物であることが分かります。

2.ホーロロギウム

ヒゼキヤの「日時計」はラテン語「ウルガタ聖書」では「ホーロロギウム/hōrologium」と訳されています。それを目にした時、私は「horologium nocturnum/ホーロロギウム・ノクトゥルム/夜の日時計」という物があったことを思い出したのです。英語で「ノクターナル/nocturnal」と呼ばれる装置です。

中世以前、時計のない時代には、海上で時刻を知るために、昼間は日時計、夜は「ノクターナル」という装置が使われていたそうです。「ノクターナル」は北極星とこぐま座ベータ星「コカブ/Kochab」との角度から時間を知る装置で、13世紀頃から用いられ、16世紀には、広く行き渡っていたそうです〔以上、飯島幸人著「航海技術の歴史物語」(成山書店、2002年)から〕。「星時計」と呼ぶ人もいます。

3.夜間に朝を想う

「ノクターナル」という語から「ノクターン/nocturne/夜想曲」を連想する人も多いと思います。キリスト教で「ノクターン/nocturn」と言えば、カトリック教会の「聖務日課/時禱」の1つ「宵課(しょうか)、夜課/Nocturna/ノクトゥルナ」が思い出されます。

「宵課/宵の祈り」は、何と「朝課/Matutinus/マートゥーティーヌス」の一部です。しかも「朝課/朝の祈り」と言いながら、やはり、実際には、真夜中の祈りなのです。これは、日没と共に日が変わるという、旧約聖書以来の認識から来ています。12月24日の日没後に行なわれる、クリスマスイヴの礼拝が降誕日、12月25日と認識されるのと同じです。真夜中に朝を覚えて祈るのです。

「コロナ禍」の時代を生きている私たちもまた、真っ暗な夜のような時間を過ごしています。しかし、そんな時にこそ「星時計」を通して、夜空に輝く光のアリカを探したいと思います。「夜の日時計」を通して、夜明けを待ちながら、ご一緒に祈りたいと思うのです。


音声配信礼拝の予告


T.1月17日(日)午前10時30分から配信
メッセージ:  腹には苦く、口には甘い =@
聖書: ヨハネの黙示録 10章8〜11節(p.464)
讃美歌: 222番「キリストよ、光の主よ」


U.1月24日(日)午前10時30分から配信
メッセージ:  エヴァンゲリオンQ
聖書: ローマの信徒への手紙 1章8〜15節(p.273)
讃美歌: 125番「いかに幸いなことだろう」


V.1月31日(日)午前10時30分から配信
メッセージ:  自分を鍛えなさい
聖書: テモテへの手紙T 4章6〜10節(p.387)
讃美歌: 464番「ほめたたえよう」


W.2月7日(日)午前10時30分から配信
メッセージ:  棘があるなら
聖書: コリントの信徒への手紙U 12章1〜10節(p.339)
讃美歌: 498番「道、真理、命」


※ 当教会の音声配信礼拝には、「新共同訳聖書」「讃美歌21」を使用しています。
posted by 行人坂教会 at 09:14 | 教会からのお知らせ