2014年01月20日

成熟を目指して【ヘブライ5:11〜6:12】

聖句「…基本的な教えを学び直すようなことはせず、キリストの教えの初歩を離れて、成熟を目指して進みましょう。」(6:1-2)

1.《成熟社会》 英国の物理学者、未来学者のデニス・ガボールが、1972年に『成熟社会』という本を出しました。物質万能主義を否定し精神性を、経済成長と大量消費ではなく生活の質の向上を求めるのです。持続可能なこと、身の丈に合うこと、多様性に個性、生活者の視点…。素晴らしい価値観が提案されています。しかし、残念ながら、現在の日本の政治は逆行を始めています。

2.《美容整形》 為政者たちが連呼する「成長」はアンチエージングと同じです。美容整形と厚化粧で見た目の美を維持しようとするのに似ています。その意味では「中身は空っぽ」と自白しているようなものです。大切なのは内面の美です。むしろ「全ての事には季節があり、全ての業には時がある」のであり、「神の成されることは皆その時に適って美しい」のです。以前のように働くことが出来ずとも、神は祈りの業を与えられます。神さまは目に見えることではなく、私たちの内実を見守って居られるのです。「人は目に映ることを見るが、主は心によって見る」のです。「時宜に適っていること」が、即ち「美しい」のです。

3.《人生全う》 悔い改め、信仰、洗礼、按手、復活、終末と審判。どれも教会が大切にしている要素ですが、それを「打ち捨てて」成熟を目指せと言われています。言葉や教え、教理や儀式ではなく、実際に「生きよ」と言うのです。11節「熱心さ」も「勤勉さ、律儀さ」の意味です。信仰は生きられるべきもの、持続可能性、身の丈に合った、多様性と個性という鍵語の通りです。「成熟」とは「完成、完了」です。十字架上の「全てが終わった」の御言葉とも繋がります。私たちがキリスト者としての人生を「全うする」という意味です。無理して誰かに合わせる必要もなく、多様性と個性が保証されているのです。

朝日研一朗牧師

posted by 行人坂教会 at 17:20 | 毎週の講壇から