後ろのものを忘れ

この祈りは、アメリカの神学者・ラインホルド・ニーバーによるものです。心の平安を持つための祈りと言われています。アルコール依存症克服のための集いやギャンブル依存、薬物依存症の患者を支援するプログラムにおいても用いられています。

私は大学時代に体育会のテニス部に入っておりました。変えられない過去を後悔しても、未来のことを心配しすぎても、目の前のチャンスを失ってしまいます。テニスで学んだ「変えられない過去を振り返らず、目の前の一球(今できること)に集中する」という姿勢は、今でも人生の目標になっております。

過去や他人は変えられません。逆に相手を変えようとすればするほど、私たちはイライラしたりします。ただ、私たちは皆、痛み、悲しみ、挫折を抱えています。過去に囚われてしまう者です。私たちは「あの時に、このことさえなければ」「もっと、こうしておけばよかった、自分はこんなはずではなかった」など、悔やむこともあります。

だからこそ私たちにはイエス様が必要です。神様が、神様を愛する私たちのために、すべてのことを相働かせて益にしてくださることを私たちは知っているから、後ろのものを忘れて、前を向いていけるのではないでしょうか。神様が共におられるからこそ、私たちも過去の失敗や挫折、傷などに苦しみ悩みながらも、上を向くことができると思います。

私たちもイエス様と一緒に、目の前のできることを一つ一つ丁寧に一生懸命にとりくんでいくことで、人生の旅を前に向かって進んでいこうではありませんか。

関智征 (聖書箇所フィリピの信徒への手紙 3章13-14)

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